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Visions of America 第三部『American Mega Mix 1953-1987』

Art

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東京都写真美術館 3階展示室


大戦後のアメリカ・黒人運動・ベトナム戦争から反戦運動・そしてWoodstock
激動の時代を切り取った1ページを眺めてみると、臨場感が溢れ出てくるような、まるで写真が語りかけてくるだ
まるでその場にいたかのような錯覚さえ写真一枚で陥ってしまう、そんな臨場感名触れる写真が並ぶ
5つのテーマから見る各時代のアメリカの1シーンを混ぜ合わせたAmerican Mega Mix

  • 「路上 On The Road/On The Streets」
  • 「砂漠 In The Desert」
  • 「戦場 In The Battlefield
  • 「家 At Home」
  • 「メディア On Media」

この5つのテーマに分けられる
Marvin GayeBob Dylanの歌詞やAndy Warholのインタビューなどなど...。それらも一緒に写真を眺める
そういう背景を知った上で見る歌詞はまた違った味わいを見せ、また写真にも味わいが増してくる


特に「戦場」と「メディア」のコーナーには強く心を動かされた
キング牧師のワシントン大行進を撮影したDavidson Bruce「Great Freedom March」、
ベトナム戦争の様子を撮影した石川文洋沢田教一
そしてあの有名な写真であるKorda Alberto「Guerrillero Heroico(Che Guevara)」をはじめ、
他にもMeatyard Ralph Eugeneや森村泰昌あたりが興味深かった


全ての写真がアメリカの「その」一時代を切り取って、展示してある。
年表を眺めるかのように、一枚の写真から様々なエピソードやメッセージを深読みしながら詮索していく。
ベトナム戦争の写真を見て、何も感じない人がいたら驚きだ。
そこから派生して反戦運動やWoodstockの写真を眺めるとまた一段と味わい深くなる。


あの若者たちの溢れんばかりのパワーと根拠のない自信からくる青臭さと勢い
そして、平和の祭典と裏側で暴れる人間の欲望
矛盾を抱え込んだまま疾走する若者の姿は【青春】そのものであると思う


そもそも、綺麗で美しいモノを求めるだけが写真ではないと思うし、
その前に美しいという基準こそ曖昧である
ただその中でブレない判断基準とは「メッセージ性」でないかと僕は思う


人為的につくられた美もそれはそれで美しいのだが、
それでも無作為の中から飛び出してきたモノを着撮った一枚は作為的につくられたものより、
何倍もの強いメッセージが発せられており、それで美しい
自分はきっと「リアル」というものを写真の中に求めているのかもしれない


チラシにもあるピースマークを掲げる男の写真「無題」(抵抗の60年代)を見ても分かるように、
写真に題名などなかろうとその頃の若者のエネルギーや平和に向かう強い意志が伝わるであろう!
はたまた、ただ暴れたいという衝動にかられた暴徒の一部でもあるように思える
そのように勘繰りながら詮索する行為こそが、自分の中の鑑賞の醍醐味である