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contemporary japanese photography 【on your body】

Art

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東京都写真美術館


今回は「身体」をテーマに6人の日本人女性新進作家が表現する。
様々なポートレートから作家の個性が溢れ出す。特に興味を引かれたのは、
朝海陽子「sight」、澤田知子「TIARA」、横溝静「Forever(and again)」の3人。

  • 朝海陽子「sight」

全20枚のポートレートには世界各地、様々な人たちの映画を観ている風景。
作者も語るように、その日選ばれた1本の映画という時間の中から切り取られた一瞬の光景。
見ることと見られることが共存する空間を切り取った写真が並ぶ。きっとこの人も映画が好きなんだろうなと思う。
あの没頭している空白の時間、映画にのみ意識を向け外界から自らを遮断する瞬間を映したかったのだろう。
だから、見方は本当に三者三様だし、シチュエーションも様々なのだが、そこには不思議な統一感があったりする。
そのあたりに着眼点の面白さを感じた。

この人の作品は今回の作品展の中で最も分かりやすいだろう。
ただ難解なだけで意図が説明されないと分からないような作品もいいが、
一目瞭然な分かりやすさと面白い発想で楽しませる作品も同時に素晴らしいのだ。
人は誰しも美しくなりたい、しかし美の基準とやらはとても曖昧で、不確かなものに人は向かい続ける。
それを象徴的に表しているのが、いわゆる「ミスコン」である。
参加した女性は虚像のナンバーワンを目指して自らを着飾る訳なのだが、
本当の美しさとは一人一人が持っているのではないだろうか。
人を比べる美というものに対しての皮肉と言う意味で皆同じ顔という発想は大胆でとても面白いと思った。

  • 横溝静「Forever(and again)」

4人の女性ピアニストを被写体に、「時間」というメッセージを込めた作品。
4人のピアニストは皆70歳を超える。例えば彼女らの皺は彼女らの過ごしてきた時間の蓄積である。
そして、彼女らが生涯何度も演奏してきたであろうショパンのワルツの演奏風景を撮影し、
一人の人間の命より長く続くものの永遠性を表現し、反対側にはピアノのすぐ隣の風景を淡々と撮影することで、永遠性と一過性の両面を表現したという作品。
この着眼点こそがキモであり、この二つの風景の対比こそが「時間」というモノに多用の解釈を持たせてくれる。


やはり全て女性ということもあり、美というものを意識した作品が多かったように思える。
身体と言われてやはり、真っ先に思い浮かぶのが美なのだろう。
現代美術において、独自性を貫くこと、つまり「個性」というのがとても大事だと思うが、独りよがりであってはいけないと思う。


また、気を衒った様なだけ作品ではなく根にしっかりしたテーマを持たなければいけないと思う。
説明を読んでもいまいち理解できないような作品に対し、
「すごい」と思うか「うーん…」となるかは人それぞれだが、自分の場合は後者である。
それは作者の独りよがりではないかと思ってしまう作品もあった。


ただそれは自分の偏ったアンテナの問題であるとも言えるのだが―。