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或る音楽






高木正勝の押し売り!


今や日本を代表する芸術家である高木正勝の「Tai Rei Tei Rio」というコンサート題材にしたドキュメント
ただし、正直言って高木正勝を崇拝している者でなければ嫌悪感を覚えてしまうくらいに、
高木正勝にだけフォーカスを絞っている作品だった


確かに、彼の作り出す音楽は美しく、そのピアノの旋律には心を打つ何かがある
ただし、インタビューや彼の行動があまりにナルシズムに溢れていて、
観客に自らの世界観をおしつけている気がしてしまった


「この音楽作る人は凄い事かんがえているなぁ」とか「やはり天才は考えてる事が一味違う」とか
単純にそう受け取れる人ならば、別に気にならないのかもしれないけど、
日陰に住む自分としては彼の言動の本質を見ようとしても残念ながら全く見えてこないため、
「うん、結局何が言いたいのかよく分からない」という感想をもってしまった


途中に挟まれるコンサートの様子は、張り詰めた緊張感の中で、何かを生み出そうとする感性が、
互いにぶつかり合いながら音楽が生まれている様子が描かれる
そんな鬼気迫る本番とは裏腹に、リラックスしているリハーサルの様子や試行錯誤している姿は見ていて面白かった


もう少しニュートラルな視点で描くことが出来れば、もっと自分の評価も変わったかもしれない
彼らの目指しているテーマ、そして奏でる素晴らしい音楽はスクリーンからでも伝わってくる
だからこそ、あまりに高木正勝という人間にフォーカスを当てすぎてしまい、
それが結果として本質が見えにくくなってしまっていたのが残念だ