밀양:シークレット・サンシャイン


ふりそそぐ陽射しをどれだけ浴びたら
あなたの悲しみは消えてゆくのだろう




この世に救いはあるのか―?


ある些細な欺瞞によって引き起こされてしまった悲劇
自責の念で失墜の彼女を神は赦し、そして同様にある一人の罪人の罪を赦した
けれども、そうして神は全ての人間を平等に愛して下さるのに、なぜ人は平等に生きていけないのだろう?


「神は全てを赦して下さる。そして、汝自身を愛するように、汝の隣人を愛せよ」
絶望の淵で神に救われ、そしてその神に今度は絶望へと突き落とされた女性に投げかけられた神の言葉
わたしにとっての救いとは、空の上から悠然と眺めている者の救いを乞い続ける事なのか?
それとも、救いはもっと近くにあるのだと自分に言い聞かせながら生きる事なのか?
結局、何かにすがり生きていくという事は所詮自己満足の世界である事をこの作品は突き付ける


それにしても、赦しとは罪を犯したものには寛容だが罪を犯された者には冷酷である
刑務所でのやるせないまでの不平等を前にして、彼女の信じていたものは突然崩れ去った
神は理不尽なまでの不幸に見舞われた者を救うどころか、さらに絶望へと突き落とした
この世に絶望し、神に救われ、神に裏切られた女の崩壊していく
その心身共に痛々しい姿は観客の心に鋭く、そして深く突き刺さる


そんな何一つ救いの無い絶望に生きる女性を演じたチョン・ドヨン
もう恐るべき演技としか言いようの無い凄まじさは思わず絶句してしまうほどの衝撃
ソン・ガンホのどこまでも無知で思いっきりガサツな男もまた素晴らしい


結局、彼女にとっての救いとは一体何だったのだろうか―?
「そんなものはないのだ」
この世の中は本当に救いようの無い世の中である事を容赦ない描写で突き付ける




罪を他者が赦すという宗教の欺瞞を鮮烈なまでに暴き出す!
この映画から放たれる暴力的なまでの痛烈なメッセージに打ちのめされる!
人の痛みを他者が理解することなど到底出来る訳がない、
ならば己の都合の良いように解釈しながら生きていかなくてはいけないのか…
個人的には死刑廃止論におきかえても考えられる題材だなぁとも思った


ただし、そんな救いの無い世の中でも愛は確かに存在していた
結局、全く彼女の事を理解していなくとも、社長の与え続けている愛はまるで陽射しのように、
どれだけ浴びればいいか分からないが、いつしか彼女の救いとなるのではないか?と思った