똥파리:息もできない


二人でいる時だけ、泣けた。




シィ ヴァ ラァ マァァ ! !


暴力でしか自らを表現出来ない男の粗暴過ぎる人生
まさに息も出来ない程に切迫した緊張感に観ていて肌が焼ける程ヒリヒリする
一見だけでは理解する事の出来ない彼の内面を知る事で、いつしか彼を愛せざるを得なくなってくる


原題は「똥파리」=ウンコバエという凄まじい映画なのだが、
決して裕福でない寂れた町、暴力が支配したまさに똥파리な環境で生きる彼ら
連鎖というのは、本人がどう頑張っても断ち切れない
その原因が家族であるのが悲痛であり、結果的にいない者の方が幸福であるなるというのも皮肉な話である


容赦のない暴力描写の応酬の終着点を物語の最初でサラっと語られるのも素晴らしく、
特に主張する訳でもないが、物語全体で提起している問題がドシンと観た後も残る
笑顔で終わる場面のあとに、衝撃のシーンを目にするヒロインの眼に、何かを感じずにはいられない


世の中に一度はこういう人間と会った事であるであろう、サンフンというキャラクターの愛らしさ
「なんでこんなになっちまったんだ!」と言って親父を殴る姿の物悲しさ
そして、その対局なる行動をサンフンがとった時に、「ああやっぱりな」と涙せざるを得ない
あの愚直で傷だらけな生き方を目の当たりにして、観客は深い衝撃と感動を覚える


この作品を一人で作り上あげたヤン・イクチュンの才能に驚きだ
家まで引き払ってまで、自らの全てをぶつけたこの作品に制作費の低さなどは気にならない!
インタビューを読んでからこの映画を見ると、彼の内面、その鬱憤やジレンマが映画の節々から伝わってくる!
一人の男のすべてをぶつけた作品、心して見よ!