黄海:哀しい獣


この闇には
一縷の光さえ届かない




行く先不明のジェットコースター


雪崩のように押し寄せる興奮に次ぐ興奮に次ぐ興奮!!
ある瞬間から、咳を切ったように暴走し始める物語に振り落とされるな!


そのすさまじいパワーは物語の粗すらもねじ伏せる豪腕の如く
そのほとばしる個性に圧倒されっぱなしの120分間は、
まるで獣の骨で脳天を叩かれたかのような衝撃!


まるでピンボールのようにぶつかってはじけて、ひたすら主人公が逃げる!逃げる!
訳も分からず、気が付けば、哀しき結末へ一直線に堕ちていく!


借金を帳消しにするために、妻を探すために
そして何よりこの生活から光を見出すために―
彼は苦悩の末に黄海を航る決心をするのだが、
不幸にもそれは一縷の光さえ届かない闇へさらに深く潜っていく事だった




舞台は延吉市という中国にありながら朝鮮民族のエリア
中国国籍でありながら朝鮮民族という存在は、中国ではマイノリティー、韓国からは朝鮮族と差別される
そんなアンタッチャブルな地域は、ヤクザが仕切る危険な闇取引の巣窟
そこ横行する移民ブローカーの問題を浮き彫りにする!


人間臭くて憎めないグナムという人間の過酷過ぎる運命に巻き込まれながら、
どこまでも生に執着し続ける姿はまさに獣のようだ
そして、圧倒的なまでの力を誇示し続けるミョン社長もまた、骨を片手に持った獣なのである
そんな二人のデットヒートを容赦ない残虐描写とブラック過ぎるユーモアを交えて軽妙に語り出す
ただし、二人の行き着く先は救いのない結末である事は誰の目にも明白なだけに、哀愁すら感じざるを得ない


まるで一度下り始めたら止まるまで終わらないジェットコースターのように、
ある瞬間を境に一気に転げ落ちていく!
個人的には蛇足感が否めないラストではあったものの、こんなにもエネルギッシュで生々しい映画も珍しい!


ってか、これが2作目とかどんだけ!!