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Cosmopolis:コズモポリス

Movie ★★

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変態老人のボヤキ映画


ただただ車の中だけで繰り広げられるひたすら抽象的な会話劇
回りくどくまどろっこしくい上にどこか高飛車なのは、まるでドギツイ村上春樹のよう!
比喩と下ネタとブラックジョークだらけの70歳の変態老人クローネンバーグ節が全開!


言ってしまえば、70歳の変態老人がひたすらクダを巻いてるような映画
つまり、このクローネンバーグ節にのれないと致命的
それでも、随所に散りばめられるメタファーの毒々しさは、
さすがクローネンバーグ!と言わざるを得ない


日本で言うところのネオニート
ウォール街に住む若い世界的な投資家がたった一日にして、
人生のドン底まで転落していくまでの物語


それを普通の監督ならば波乱万丈にドラマティックに描くはずなのだが、
この作品ははじめから終わりまでリムジンの中の会話だけで展開していく奇妙さ
しかも、その会話自体は物語と直接的には繋がりがないため、
会話だけ追ったところで何の話かさっぱり分からない


しかしながら、ふとリムジンの外を眺めると、
そこには激動の世界がものすごいスピードで駆け抜けていく様が描かれる
リムジンの中と外を対比的に描きながら、その中に主人公は全く無関心である様は、
まさに投資家の姿をそのものである
リムジンの外で何が起きても自分には関係ない、あくまでリムジンの中だけで完結する


そして、そんな外の状況に目を向けなかった彼の行く末はどうなっていくのか?
車の外に出なくてはいけなくなった無防備な彼が行き着く先とは何なのか?
資本主義経済をひねくれまくった視点から痛烈に批判している(はず?)作品
特に最後に対峙する主人公との対極にある男との会話劇はとても印象深い


そして、そんな無関心で無表情な若い投資家を演じるのはロバート・パティンソン
トワイライトシリーズ同様に血の通ってない青年ながら、SEXを惜しげもなく披露して、
アイドルから俳優へ一歩づつステップアップしていっていると思う


個人的にはひたすら鼻につくような言い回しをこの若者が言うと、
クローネンバーグのぼやきも何も分かってない若者のかっこつけに聞こえるから面白い
これをナルシズム全開にノルウェイっぽく描くか、
こういう風に描くかってのが作家性なんだなあとも思った