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Stoker:イノセント・ガーデン


それは、性の芽生えと呼ぶべきか―
それとも、生の芽生えと呼ぶべきか―


大人になるという事は子供の頃の自分を殺す事
彼女にとっての通過儀礼というものはまさにその事だった
自分でも知る事のなかった心の奥底に眠っていた衝動


父から送られたサドルシューズという拘束を解き放ち、
18歳になり、クロコダイルのヒールを履いた時、
それは最期に彼女の起こした行動からも分かるように、
自らの足で立つという事、親からの自立である


遺伝子レベルで呼び覚まされる一つの衝動
それは甘美で危険な関係から生まれる
初めて自分が女性である事に気付いた瞬間の性への飽くなき渇望を
見事に表現したピアノの連弾シーンは背徳感に満ちていながら、
それでいてとても情熱的で美しい


序盤からひたすら不穏な空気が漂いながら進行し、
脆く儚い少女の感情をそのまま映し出したような、
どこか不安感を煽るカメラワークで描かれる一人の少女の通過儀礼


最期は人間の本性という部分をパク・チャヌクのフィチズム全開で官能的に映し出す
例え、誰にも受け入れ難い事だとしても、少女から大人になる姿はとても美しく、
観ている者に何故か罪悪感を頂かせるくらいに背徳感に満ちている


サスペンスにしては結構単純なストーリーだし、とても小さい物語なんだけど、
色鮮やかで幻想的な映像と全てにおいてどこか現実感のないカットで
現実なのか空想なのか錯誤しながら進んでいく、まるで一を語り十を知らせるような作品


演出もさることながら、
ミア・ワシコウスカの透明感あふれる、まさに「イノセント」な演技と
ひたすら不気味なマシュー・グードとのアンサンブルが個人的にはかなり良かった


作品としては非常にこじんまりとした内容だったし、
オールド・ボーイ」級の破壊力はなかったものの、
次作を期待させるだけの力は見せつけられたんじゃないかな?とは思う