고지전:高地戦 The Front Line


あぁ、無情


ひたすら不条理な運命に翻弄され続ける兵士達
机の上で決められた陣取り合戦に否応無しに参加させられ、
その戦いの意味も分からないまま、ただ生き延びるために殺し続ける
それは人を殺す事だけではない、自分を殺し続ける事でもあるのだ


南北境界線に存在するAEROK高地
軍の上層部によるふざけたボードゲームに翻弄されて積み上がる死体の数から
いつしかこの高地は「この戦いで力尽きた死体」で出来た高地と呼ばれた


停戦を待ちわびながら、終わらない戦いへその身を投じていく
そんな最前線にあるAEROK高地には死体と共に、いくつもの悲劇が転がっている
どんなに辛い過去を背負い込もうとも、目の前にある一日を生き伸びるため殺し合う


そんな最前線で一つの歌が結んだ奇跡のような僅かない交流
ウンコ・酒・煙草・マッチ・ゴーグル・チョコレート…
思わず顔がほころびる心温まる交流も、その先には悲劇しか待ち受けていない
霧が晴れるまでの両軍が向かい合って歌うシーンのやるせなさたるや、涙が止まらない


そして、最後の最後に用意された言葉も出ないくらいの悲惨すぎる事実
醜悪なボードゲームの集大成に、成す術も無く参加させられる兵士達の悲痛さ
誰しもがやる気を根っこからへし折られた状況の中で、あの大尉が叫ぶ映画史に残る名演説に
気付けば誰しもが「ワニ中隊!ワニ中隊!」と泣きながら叫ぶのだ…


韓国映画史と言わず、戦争映画史に残るであろう歴史的な名作がここに誕生する
AEROKを逆から読めば、この監督の伝えたかった思いが伝わるはずだ
個性豊かな俳優陣、心を振るわせる脚本、そして壮大なスケールを作り上げた技術力
韓国映画のもの過ごさを改めて実感させられる作品であり、戦争映画史に残る傑作