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賽德克·巴萊:セディック・バレ

Movie ★★★★★

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僕らが知るべき黒歴史


我々日本人にとって刻み込まなくてはいけない黒歴史
1930年10月27日に台湾の台中州能高郡霧社で起きた「霧社事件」を中心に、
時代に翻弄され続けながらも気高く生きたセディック族の姿を描く


この作品は二部作であわせると276分という超大作
そこでひたすら日本の蛮行が描かれ続けるので非常に観ていて心が痛くなる
やはり日本人が観るとバイアスかかりすぎだろ!って思うシーンもない訳ではないが、
一つの民族を侵略によって踏みにじる事の卑劣さを思う存分知ることが出来る


この作品の凄まじいところはこのセディック族の勇敢さを包み隠す事無く描き切っているところ!
日本軍に反抗していく彼らの姿は潔く気高い、劇中で「大和魂はここにあったのか」と言うのも納得してしまう
なにより合戦のシーンの鬼気迫る姿は思わず鳥肌が立つほどかっこいい


第一部は「霧社事件」が起こるまでを描く
この描き方が分かりやすく、物語の終盤までひたすら日本人にいじめられ続け、
最後の最後で一気に蜂起するという分かりやすいカタルシス


運動会での大殺戮シーンまでの高揚感は半端ないんだけど、
ここでの大殺戮を包み隠さずにそのまんま描くので、思いっきりドヨーンとした形で幕を閉じる
蜂起する男達の姿も単なる英雄譚として描かずに中立的な立場で描いている


そんな暗い気持ちから始まる第二部は「霧社事件」の後を描く
森の中でのゲリラ戦に持ち込みつつも、次第に日本軍の武力の前に疲弊していく男達
まるでベトナム戦争のような潰しあいを実は日本も行っていたのだった


このゲリラ戦がダイナミックでカタルシス抜群で描かれるので二部に関しては終始ワクワクしっぱなし!
どのシーンにも男泣きする胸アツなアクションシーン満載で思わず、何の映画か忘れてしまいがちなんだけど、
随所で差し込まれる必要以上なグロ描写が「ああ、ここは戦場だったのだ…」と引き戻される


何よりモーナ・ルダオを演じるリン・チンタイの表情がド渋すぎて最高だし、
途中で描かれる日本人との交流の中で、「死んだらどこへ行くんだ問題」というのも非常に興味深い
第二部はアクション映画として楽しめるくらいの凄まじいアクションのつるべ打ち!


今まで恥ずかしながら知らなかったセディック族の気高さと侵略の卑劣さを思いっきり感じれる良作
正直、長丁場ではあるものそこまで苦にならない
日本人として台湾のセディック族の人々の姿は、一度は見ておく必要のある映画であると思う