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白日焰火:薄氷の殺人

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地味な話を独特過ぎる語り口で切り込めば、それは中国ノワール


まるで映画全体がファムファタールのような
雪の振るハルピンのほの暗く薄汚れた世界の中で
やけに禍々しいネオンの光が妖艶にぼんやりと輝いている
その光は手を伸ばしても届かない


手に入れようと手を伸ばせば、気付かぬうちに闇に引き込まれている
そう、それはまるであのスケートリンクのように…
ぐるぐる回りながら、まるで夢の中のような陶酔感に包まれて、
そこから徐々に闇へ向かっている女を追いかけて、自ら闇へ吸い込まれていく


一見すると幻想的な光景もよく見渡せば実は薄汚れているハルピンの街は、
まるで「チャイニーズ・ドリーム」を見事に表現しているかのようだ


大胆過ぎるジャンプカットによる鮮やか過ぎる語り口と
まるでキツネにつままれたような物語に独特の色彩感覚が絡み合い、
ディアオ・イーナンの才能と個性が画面全体にほとばしる!


全てを掛けて追い続けた女の仕掛けた罠とのめりこんでいく男の顛末は、
欧陽菲菲のものすごい安っぽいビートに乗せて一心不乱に踊る姿同様に滑稽であり哀れだ
真昼の花火を打ち上る酔っ払いはまるで何かを解明し、誰かに何かを伝えているようだった
そして、その光景を見て微笑むウーの姿はきっと何かを悟ったように思えた