Mommy:マミー

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16:9で広がる世界を守る「Wonderwall」とは何だったのか?


S-14法という「親が我が子を捨てる」ことが法的に認められた架空のカナダで
ADHDという病とそのS-14法に翻弄された家族の物語
親子にとっての一つの結論にしては、あまりに唐突であまりに残酷すぎる
切れ味鋭い幕切れは心に「親子」とは「愛」とは「希望」とは何か?を突きつける


純粋が故に、自らの感情をコントロール出来ない少年の感じたアスペクト比1:1の世界は、
息苦しいくらいにとても窮屈で、さらに視界が狭く見えないものが多過ぎる
そんな中で世界で生きていた少年は、同じく心に傷を抱えた女性と触れ合うことで、
人生の喜びを見いた出した時、世界は16:9のワイドスクリーンに一気に広がっていく!


しかしながら、現実は無情だ
無限のように見えた世界も過去の過ちの代償がつきまとう現実の前に、
やはり、いつものような狭く息苦しい世界だったことに気付いてしまった
そして、その過去の過ちの代償は、一人のシングルマザーの人生も奪っていった


疲弊しきったシングルマザーの出した一つの結論は、彼女にとっての「希望」のはずだった
でもそれは、彼女にとっての「希望」であって、家族にとってもの「希望」ではなかった
彼にとってのWonderwallはきっと母からの「愛」であったはずなのに
彼女の「希望」の前にWonderwallが崩れてしまった事に悟った時、
彼の目線の先にあるガラスの向こうには何が映ったのだろうか-?


やけにオシャレな映像郡や挿入歌のセンスなどが織り成す世界観に加え、
ストーリーが強引だったり、主人公の母親の行動に全く共感できなかったりするんだけど、
アントワン=オリヴィエ・ピロンをはじめとした役者陣の自然な演技だったり、
(ベタな演出だけど)アスペクト比が変わる瞬間の爽快感は何とも言えず素晴らしい


ただ単にオシャレな映画ってだけではない、グザヴィエ・ドランの個性が詰まっている
なるほど、伊達に「恐るべき子供」と呼ばれるだけある