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The Theory of Everything:博士と彼女のセオリー

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それもまたひとつの愛の形


奇跡の天才、スティーヴン・ホーキング
【ホーキンス放射】という理論で世界を驚かせた理論物理学者。
何故、彼が「奇跡の天才」と呼ばれているのかを読み解く愛の物語。


「天は二物を与えず」という表現がふさわしいかわからないけれど、
その類まれな頭脳をもった天才は、21歳で「筋萎縮性側索硬化症」という不治の病を患う事になる。


この病は、次第に筋肉が収縮し出し、体が動かなくなる病。
病気の進行が早く、発症から3年から5年で呼吸すらも出来なくなる不治の難病。
にもかかわらず、発症から50年以上経った今も生き続けている奇跡の人。


そんな壮絶すぎる人生であっても、彼がとても幸福な人生なように見えるのは、
彼自身が病に負ける事なく、不屈の魂で自らの研究にその身をささげたからであり、
そして同時に、そんな彼を支え続けた人々たちの愛の賜物である。


そんな愛に包まれた素晴らしき人生を、彼を支え続けた「妻」の視点から描いた物語。
「素晴らしき愛」というだけでは乗り越えられない、難病を抱えた偉大な天才をもった妻の現実と理想が交互に描かれていく。
そう、愛だけでは生活は出来ないし、愛は次第に消えていくものなのだ。


次第に希薄になっていく互いの関係と互いに違う方向へ進んでいく気持ち。
結果として、二人はそれぞれ互いに別の道を歩み出したとしても、
互いを尊敬し認め合う二人の間には、愛すらも越えた「何かが」生まれている気がした。


それでも、不治の病を患っている事を含めて彼を愛したジェーン・ワイルドとの愛の日々。
そして、学友たちとの色あせる事のない友情の数々。
それらすべてが、まるで走馬灯を見ているかのように、どこか幻想的で華麗に昇華していく。


そんな博士と彼女のセオリーは、
甘美なだけのラブストーリーや安っぽい涙を誘う感動などでは語れない。
この二人の関係が誰も想像する事の出来ない結末を迎えたとしてもまだ続いていく。


なぜなら、この博士と彼女のセオリーの結末は、この二人以外には導き出す事は出来ないのだから。