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LA LA Land:ラ・ラ・ランド

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夢を見続ける難しさ
夢を見続ける素晴らしさ



ハリウッドに向かって伸びるハイウェイは今日も大渋滞。
夢追い人たちがそれぞれの成功を願い、夢の国「LA LA Land」を目指して今日も列をなす。
そんな夢追い人の大渋滞の中で、偶然に交差したある二人の運命が素晴らしいオープニングと共に動き出す!


とりあえず、シネマスコープのロゴから始まるオープニングの素晴らしさたるや!
ワイドスクリーンの壮大さと色鮮やかな色彩の中で躍動する音楽とダンス!これはi-maxで見たもん勝ち!
正直、LA LA LAND見てもミュージカルは合わないと思った自分でも、
このオープニングはなぜか涙が出そうになる程に食らった!


そんな素晴らしすぎるオープニングからシームレスに始まっていく物語は、
LA LA LANDで生きる、全ての夢見る者たちへ向かった賛歌と燃えるような恋をした若者たちの夢物語。
先述したがミュージカル映画は食わず嫌いの自分なので詳しくは分からないけれども、
解説を聞く限り、過去のミュージカル映画のオマージュで彩りつつ、
現代的にアレンジした「ミュージカル・ルネッサンス」的な作品らしい。


LA LA LANDで成功を夢見ている二人の若者による燃えるような恋愛を
現実と虚構が入り混じったミュージカル映画らしく、ファンタジックに描いていく。
まさに宙に浮いてしまうような恋愛をしている二人の姿はとても美しく、
そして、同時にとても儚い。


しかし、そんな夢は長くは続かない。
物語が進むごとに画面の色味がどんどん地味に変わっていき、同時に主人公たちの目には現実が見えてくる。
そう、現実というのは残酷で夢を見ている二人の頬を思いっきりひっぱたく!


その中で葛藤する若者たち。
どんなに辛くとも夢を見続ける事が出来るのか―?
自分の夢を信じ続けることが出来るのか―?


「続ける事は一つの才能」とよく言われるけれど、確かにそうなのだと30を超えてくると心からそう思う。
どんなにつらい現実が待っていようとも、それでも自分を信じ続ける事は並大抵の事ではない。
だからこそ、夢は最後まで見続けれる事が出来れば現実になるのだ。


ただし、自分を信じ続ける事が出来るには、
きっと人との出会いというものも大きく関わってくる。
ーそう、まるでこの映画のように。


人には必ず自分の【運命を変えてくれる人】との出会いは存在する。
けれども、その人が自分の【運命の人】であるかはわからない…
皮肉的ではあるものの、こういうオチのつけ方をしてくれて本当に良かった。


物語の終盤…いつまで経ってもLA LA LANDは、夢を見続ける事で人々に夢を見せている。
そんな夢が見たくて見せたくて、今日もまたあのハイウェイは大渋滞が続いている。
そんな大渋滞を避けたLA LA LANDの外れ、ふと見かけたどこか懐かしい光。
それは、あの頃と全く変わらず、細々とでも輝き続けたあの光だった。


この映画のラストの解釈はきっと男女によって大きく変わってくるだろう。
個人的には男はロマンチスト、女はリアリストなのだという事。
男は過去の恋愛はそれぞれフォルダで大事に保管されるので、思い出の曲とともに、もう一つのエンディングを夢見たりするものだけども、
女の恋愛は常に上書き更新されているものだから、途中でそれを後にするのだと思う。


…にしても、4,5年前の元彼の夢を忘れて何食わぬ顔してそ夫とそのBarに入るなんて!
パリで何があったのか勘ぐってしまうほど!
それでも、最後に微笑みあった二人には、互いに【運命を変えた人】として何か通じるものがあったのかもしれない。


夢を見る者・見続ける者たちの背中を押してくれるような、ポジティブで美しいミュージカル。
普段、ミュージカルを見ない自分でも涙出そうになるくらい心を動かされるんだから、
やっぱこのデミアン・チャゼルって監督は音楽の力を使うのが素晴らしくうまいのだと思う。


エンターテイメント好きなら誰しもが共感させてくれるであろう作品。
昔「NY NY」というブロードウェイの賛美したスコセッシの映画があるんだけど、
タイトルやテーマ含めて、それに呼応されている作品であるのも味わい深い。